「酔うと化け物になる父がつらい」は菊池真理子さんがアルコール依存症の父との暮らしを漫画化したコミックエッセイです。
めちゃくちゃな父親と、それに耐えかねて自殺した母親、菊池さんの家庭はボロボロでした。最終回、結末では父も亡くなり一人残った菊池さんが解毒の道を歩みます。
この記事では「 酔うと化け物になる父がつらい」の最終回までのネタバレ感想、考察を書いていきます!
漫画のポイント
- 宗教につかる母とその母を召使としてつかう酒浸りの父
- 心が壊れた真理子はいつも笑顔の仮面をかぶって過ごす
- 真理子にできた彼氏は自身の家庭環境を再現してくれるDV男
- 父が病に倒れ、亡くなった時も悲しみよりもほっとした気持ちが大きかった
ここから先は詳細なネタバレを含みます。
まだ漫画を読んでいない人はU-NEXTに無料登録するともらえる600円分のポイントを使って最後まで読んでから先に進んでください。
U-NEXTは月末月初関係なく31日間無料です。今みんながやっている電子書籍サービスへの登録は特典がついているうちに済ませちゃいましょう♪
話題のマンガ・アニメを無料で楽しむ方法も解説しています♪
「酔うと化け物になる父がつらい」のネタバレ30秒ストーリー
- 真理子の家族は毎日お酒を飲んで帰る父、宗教に熱心な母、そして妹。両親は子供の面倒を見ず、けんかも絶えなかった
- 真理子が中学生の時に母親が自殺したが、父親は酒飲みの生活を辞めなかった
- 真理子はDV彼氏と付き合うようになる。結婚を目前に真理子は結婚の意味を見出せなくなり彼氏に別れを告げる
- 父が末期がんになり、介護生活が始まる
- 真理子は父に長生きしてほしいと思えないまま2年の介護を行い父親は亡くなった
- 父の死後、真理子は自身の家庭が異常だったことに気が付く。両親への思いを昇華させるため、「酔うと化け物になる父がつらい」を出版した
真理子の人生がハードモードすぎて…っ!
「酔うと化け物になる父がつらい」のネタバレ考察 宗教家の真理子の母は逃げ続けた
真理子の母親は熱心な宗教家でした。毎日大きな声で仏壇に向かって唱え、近所でも有名になっています。
母は家庭に居場所がなかったのでしょう。真理子の父は毎日友達と家で麻雀をしており、母親はおつまみを出し、泥酔した父親を介抱する召使。母が病気の手術で帰った日ですら父は友達と麻雀をしていました。
真理子の母は週に一度、真理子の服を脱がせ、母と真理子の2人裸で背中合わせで寝ていました。真理子の物心からがついてから母は父と寝ておらず、悲しみを娘と眠ることでごまかしていたのです。
そんなある日、母親は家出をします。真理子が必死にお願いすることで家に帰って来たものの、しばらくして母親は自殺。
母親は父親とも子供とも向き合うことなく亡くなりました。毎日行っていたお祈りは泥酔した夫やその友達から良いように使われる日々から逃げるために宗教にのめりこんでいたのでしょう。
子どもをお風呂にも入れず宗教活動ばかりしている母親は、母親としての役割をはたしていませんでした。
「酔うと化け物になる父がつらい」のネタバレ考察 徹マンと泥酔を続ける父の本当の姿
真理子の父は会社を経営しており、友人も多く、周りから見たら立派な父親でした。真理子の漫画家の夢を応援する一面も持っています。
周囲からの人望があることもあって、真理子が父親が常に飲みに行くことに文句を言うと、父の友達から注意される始末でした。
真理子の母親も父親の立派な姿に惹かれて結婚したのでしょう。アルコール依存症患者はある日突然依存するのではなく、徐々にアルコールに溺れていくようになります。母親は、父親の良い面を知っていたからこそいつか昔の優しかった姿に戻るかもしれないと信じてお世話をし続けたのではないでしょうか。
真理子の父親は寡黙で人と話すことが苦手でした。経営者になると対外的な仕事が多くなり、静かな性格は不利になります。父親はその性格をごまかすためにお酒を飲み、仕事を回していたのでしょう。
酔って明るくなったことで仕事がうまくいった成功体験からお酒が手放せなくなり、どんどん飲むように。そして夫婦仲が悪くなり家庭から逃げるため、仕事のストレスから逃れるために、どんどんアルコールの沼にはまっていきます。
ガンの治療のために飲酒をやめたとき、父は本当の自分に戻り、ようやく安心できたのだと思います。
「酔うと化け物になる父がつらい」のネタバレ考察 この物語の被害者は真理子なのか
この物語の一番の被害者は真理子、そして真理子の妹であることは間違いありません。真理子の育った環境はアルコール依存症に加え、ネグレクトと精神的DVと隣り合わせでした。
真理子の母も、父親のアルコール依存症を支え続けた被害者です。
そして真理子の父も被害者の一人なのです。
アルコール依存症の恐ろしいところは、病人でありながら、加害者にもなることです。
真理子の父親はアルコール依存症でした。アルコール依存症にかかると、脳の働きによりアルコールを辞めたくても辞められない状態が続きます。
依存患者は飲むことをやめようとしても、アルコールを絶ってしばらくすれば手が震え、イライラし、少しのきっかけで依存症が再発し、どんな手を使ってでも飲みたくなる。依存症は治療をしなければ治ることはありません。
暴言、借金、少しの期間辞められたと思ってもすぐに飲み始めてしまう絶望感、アルコール依存症者の家族は心を病み、疲弊していくのです。
アルコール依存症については「だらしない夫じゃなくて依存症でした」で詳しく解説されています。
「だらしない夫じゃなくて依存症でした」はアルコール依存症患者とその妻の物語です。
依存症患者は嘘をついてでもアルコールを飲み、家族からの信頼を失ってしまうその姿がありありと描かれていました。
巻末の作者の三森みささん自身の依存症経験を描いたエッセイは内容が非常に濃く、全依存症患者に希望を与える物語になっています。
続きを見る
「だらしない夫じゃなくて依存症でした」ネタバレありのあらすじ解説感想、共依存の結末
続きを見る
三森みさ作品・プロフィールまとめ、出身工芸高校情報も【カフェイン・アルコール・左右盲】
「酔うと化け物になる父がつらい」のネタバレ考察 真理子はどうして家庭の異常さに気づけなかったのか
家という空間は、家族だけのものになっており、ほかの人からは覗けません。機能不全家族に生まれた人が自分の家庭のおかしさに気づくためには家族と完全に切り離された生活をしなければなりません。
真理子は学生のうちから母を亡くし、家事と父親のお世話に追われたため、気付くきっかけがありませんでした。
付き合った彼氏すらDV男で自分を傷つける家族と同じ存在だったので、正常な状態に気づくことは難しいでしょう。
真理子は父が亡くなり、自分を苦しめるもの全てから解放され、ようやく「普通」に気付き、自由を手に入れることができました。
依存症の異常な状態から抜け出すには、距離を置くことが重要なのだと教えてくれます。
「酔うと化け物になる父がつらい」のネタバレあらすじ解説が面白かった人へ
幼いころから家族に苦しめられた真理子ですが、最後には平穏な生活を手に入れました。 「酔うと化け物になる父がつらい」は非常にディープでしたが最後に救いのある前向きな物語でもありました。
イラスト付きで漫画を読みたくなった人はU-NEXTに無料登録するともらえる600円分のポイントを使ってください!
月末月初に関係なく登録から31日間は無料で使えて、その間人気アニメやドラマも見放題です。
みんなが登録し始めているので特典がついている今登録しておくのがお得ですよ♪
話題のマンガ・アニメを無料で楽しむ方法も発見したよ!
毒親マンガでオススメなのは「母は汚屋敷住人」です。
幼い時からゴミだらけの家で育ち、時には虫入りのご飯まででてきた壮絶な生活が面白おかしく描かれています。実話なのが恐ろしいところ…。
続きを見る
母は汚屋敷住人のネタバレありの結末感想!高嶋あがさ作品ブログ感想文
共感できる毒親マンガとしては「母がしんどい」をお勧めします。過干渉でヒステリックな母親にふりまわされ続けるエイコの姿。
結婚すらまともに祝えないエイコの母親の姿を見ると、これって毒親あるあるだったんだ、と気づかされました…。
続きを見る
母がしんどいの最終話、漫画の結末ネタバレ感想!父の手紙の内容とその後のラストまで
もしかしたら自分も毒親になっているかもしれない、毒親育ちなのかもしれないと悩む方は毒親マンガを読んで状況を冷静に見つめてみましょう。
親も人間なので悪いところがあって当然ですが、毒になるほどの人はそうそういません。
私も自分の親を毒親と呼ぶことに抵抗がありましたが、体験談を読んで確信できました。